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陸前高田さくらプロジェクト

活動のご報告

洛陽工業、西大和学園 テーマは「繋がり」

 3月25、26日、京都の洛陽工業高校、奈良の西大和学園が、相次いで陸前高田を訪れ、植樹に参加してくれました。
 昨年に引き続いて参加してくれた洛陽工業は、同校内および地域とのつながりを持っての参加でした。同校では起業家精神を涵養するための「洛陽アントレプレナー」という株式会社を授業の一環として生徒が設立し、行燈などを作り販売しています。その収益の1割を当プロジェクトに寄贈してくれました。また、同校が植樹に参加することを知った寺町商店会が募金の補助をしてくれたそうです。
 25日午前、高田に到着した同校の25人は、同市竹駒町で植樹をしました。植樹をしたのはIさんのリンゴ園跡です。Iさんのご主人は津波で亡くなり、リンゴ栽培が困難になったことから地域の人が集える広場にしたいとのことで、桜の植樹をすることになったものです。Iさんは「元気な高校生が大勢来てくれると明るくなって嬉しい」と言っていました。これを見ていた地区の方々から、神社などに植えたいという申し入れがあり、後日苗を提供しました。

 午後、移動して普門寺での植樹をしました。普門寺には身元不明者の共同墓地があり、そこを囲むように植樹しました。ここには、後述の「吉野桜」2本も植えました。
 なお、この日、洛陽の生徒に交じって、徳島の高校教師親子が植樹に参加してくれました。

 西大和学園は日ごろ吉野山保勝会と交流があり、桜を実から発芽・育成する指導を受けるなどしているとのことで、今回の植樹参加にあたって吉野山保勝会と大和ハウスから5本の苗木の提供を受けました。その苗木を洛陽工業が持参して、2本を普門寺に植えたのです。両校は植樹に参加すると同時に、あらかじめ連絡を取って交流を図ることも意図していたのです。
 西大和学園の一行24人がその日の宿泊所になる小泉公民館に到着したのは午後でした。植樹を終えて休んでいた洛陽の生徒全員に拍手で迎えられました。両校の代表が挨拶のエールを送った後すぐに、当プロジェクト顧問の村上先生の引率で、同じバスに乗って奇跡の一本松に行きました。バスの座席も両校の生徒が交互になり、交流を図りました。
 一本松の後、今も被災の痕を生々しく残す「みちの駅タピック」を見学しました。
 小泉公民館に戻った一行は、当プロジェクト代表の菅野先生の話を聞き、地元のお母さんが作ってくれた食事をとりました。宿泊は避難所生活を体験するために、座布団と毛布1枚で雑魚寝をしました。

 翌26日、西大和はモビリアでの植樹、昨日植樹をした洛陽は仮設住宅訪問をしました。
 モビリア集会所で「お茶っこ」をしていたおばあさんたちに招じ入れられた洛陽の一行が校歌を歌い、お返しにおばあさんたちが「北国の春」を歌う、思わぬ楽しいハプニングがありました。仮設暮らしのおばあさんたちにとっても、思い出深い交流になったものと思います。
 西大和の生徒は、吉野桜3本を含む33本を植えました。吉野桜は寄贈された方々に敬意を表して、山頂近くの見晴らしの良い、町が見張らせ、町からも見える位置に植えました。
 尚、この日大阪・岬中学の2人の先生が飛び入り参加してくれる嬉しい出来事がありました。